御殿場市東田中に、タコライス専門店があります。
店名は「タコライス478」
長年キッチンカーで御殿場や富士、三島、清水町などを巡り、本場沖縄の味を届けてきた人気店です。
2026年6月には、念願だった実店舗をオープン。
「沖縄のタコライスを、御殿場のソウルフードにしたい」
そう語る店主の與那覇(よなは)さんに、タコライス作りを始めたきっかけや実店舗への思い、グルメコンテスト3連覇までの道のりを聞きました。





タコライス478
キッチンカーから実店舗へ

タコライス478の実店舗があるのは、御殿場市東田中。
交通量の多い道路沿いにあり、信号待ちをしていると、自然と店舗が目に入ります。
與那覇さんは、もともとキッチンカーだけで活動を続けるのではなく、いつか自分の店を持ちたいと考えていました。
與那覇さん:「最初から、お店をやりたいという気持ちはありました。ただ、当時は会社員だったので、いきなり仕事を辞めて店を出すのはリスクが大きかったんです」
御殿場市内で働きながら、土日を中心にテント出店を始めた與那覇さん。
しかし、テントでの営業は、道具の搬入や設営、撤収に手間がかかります。
もっと活動しやすい方法はないかと考えていたとき、清水町にキッチンカーを販売している会社があることを知りました。
実際に見に行くと、その車体のフォルムに一目ぼれ。
與那覇さん:「この車をタコライスらしい色にしたら、商品を気に入ってくれた人が、車を見ただけで『あのタコライス屋さんだ』と思い出してくれるんじゃないかと思ったんです」
こうして、実店舗を開くための第一歩としてキッチンカーを導入しました。
さまざまな地域を巡りながら、お客様の反応を見る。
そして、自分の店を出すのにふさわしい場所を探す。
キッチンカーは、與那覇さんにとって単なる移動販売車ではなく、将来の実店舗につなげるための大切な存在でした。
タコライス478
なぜ御殿場市東田中を選んだのか

キッチンカーで活動していた頃から、與那覇さんは現在の店舗周辺に注目していました。
與那覇さん:「この辺りで出店できたら、絶対にいい場所だろうなと思っていました。人通りも車通りもありますし、散歩をしている人も多いんです」
ただ、実際に店を出せる土地が見つかるとは思っていなかったそうです。
店舗開業を具体的に考え始めたタイミングで物件を探したところ、偶然、現在の土地を発見しました。
当時は草が生い茂り、本当に店舗を建てられるのか不安になるような状態でした。
それでも、沖縄で親しまれているタコライス店のスタイルを考えると、大きな店舗である必要はありませんでした。
與那覇さん:「沖縄では、タコライスをテイクアウトして、海など好きな場所で食べるスタイルが普通なんです。僕もそれを見て育ってきたので、この広さでも自分たちが目指しているお店は作れると思いました」
タコライス478の実店舗も、テイクアウトを中心としたコンパクトなスタイル。
外には腰掛けられるベンチやテーブルも用意されていますので、購入した商品をその場で味わうこともできます。
キッチンカーだけの頃は、イベントや出店先へ行かなければ商品を購入できませんでした。
実店舗ができたことで、営業日であれば決まった場所へ行けばタコライス478に出会えるようになりました。
與那覇さん:「キッチンカーのときは『お店はどこかにあるんですか?』と聞かれることが多かったんです。店舗を構えたことで、お客様に安心感を持ってもらえるようになったと思います」
景観に合わせて生まれた、パステルカラーの店舗

タコライス478といえば、黄色・緑・赤を使った鮮やかなデザインが印象的です。
黄色はチーズやタコミート、赤はトマト、緑はレタスをイメージしています。
キッチンカーには、この3色が大胆に使われています。
ところが、実店舗を作る際には、富士山周辺の景観に配慮した色彩のルールがあり、キッチンカーと同じ鮮やかな色を外壁に使うことができませんでした。
当初はモノクロを提案されたものの、それではタコライス478らしさが薄れてしまいます。
そこで、色の鮮やかさを少しずつ抑え、現在のパステルカラーにたどり着きました。
與那覇さん:「キッチンカーとまったく同じ色にはできませんでしたが、モノクロよりは自分たちらしいと思いました。子どもたちからも『かわいい』と言ってもらえます」
景観に溶け込みながらも、タコライス478らしさはしっかりと残す。
そのバランスが、現在の印象的な外観につながっています。
タコライス478
沖縄で食べてきた「あの味」を御殿場で

與那覇さんは沖縄県出身。
子どもの頃から、タコライスや沖縄そば、ゴーヤーチャンプルー、ソーキなど、沖縄料理を身近に食べて育ちました。
御殿場周辺で暮らし始めてから、沖縄料理が恋しくなり、さまざまなお店を食べ歩いたそうです。
沖縄そばについては、地元で食べていたものと同じような味に出会えた一方で、タコライスにはなかなか納得できませんでした。
與那覇さん:「もちろん、いろいろなタコライスがあっていいと思います。ただ、僕が沖縄で食べていたタコライスとは少し違ったんです」
沖縄で食べるタコライスには、食べ終わったあと、またすぐに食べたくなるようなおいしさがあったと話します。
探しても見つからないなら、自分で作ろう。
子どもの頃から食べてきた記憶をたどりながら、與那覇さんのタコライス作りが始まりました。
仲間から「お金を払うから作って」と言われた味

最初に作ったタコミートは、現在よりも辛く、牛肉だけを使ったものでした。
大人からは好評でしたが、子どもたちからは「少し辛い」という声がありました。
そこで、牛肉だけでなく、豚肉と鶏肉を組み合わせることに。
すると辛さの角が取れ、味がマイルドになっただけでなく、肉のコクも深まりました。
さらにスパイスの配合を何度も調整。
現在の、子どもから年配の方まで食べやすいタコミートが完成しました。
完成したタコライスを仲間に振る舞うと、反応は上々。
「お金を払うから、また作ってほしい」
そう言ってもらえるようになり、パーティーなどにタコライスを持っていくことも増えていきました。
その後、御殿場駅富士山口周辺で開催されていたフリーマーケット形式のイベントに、テントで出店。
少しずつリピーターが増えていったことが、本格的にタコライス店を始めるきっかけになりました。
2018年の開業当初は、会社員として働きながら、休日を使ってイベントへ出店。
與那覇さんのタコライス人生は、小さなテントから始まったのです。
初めてのキッチンカー出店は「エピ・スクエア」

キッチンカーで初めて営業した場所は、御殿場市川島田にあるスーパーマーケット「エピ・スクエア」
当時販売していたのは、Sサイズのタコライスだけでした。
さらに当時は、今ほどタコライス自体が知られていません。
「タコが入っているの?」
「タコライスって何?」
そんな反応も多かったそうです。
それでも、購入したお客様から「おいしかった」「また買うよ」と声をかけてもらい、少しずつリピーターが増えていきました。
開業から長く出店を続ける中で、エピ・スクエアの関係者とも深いつながりが生まれました。
実店舗のオープン時には、お祝いの言葉だけでなく、ご祝儀までいただいたといいます。
また、これまでの活動を見守ってきた仲間や常連客からも、たくさんの花が届きました。
與那覇さん:「子どもが育っていく過程を見守ってもらっているような感覚で、ずっと見てくれていたんだと思うと、本当にうれしかったです」
タコライス478
「1日1ファン」を積み重ねてきた

タコライス478が長く活動を続けてこられた理由について、與那覇さんは「1日1ファン」という考え方を教えてくれました。
與那覇さん:「どれだけ暇な日でも、雨の日でも、1日に1人は気に入ってくれる人がいると思って続けてきました」
1日1人のファンが増えれば、年間300日営業した場合、1年で約300人。
それを何年も続ければ、何千人もの人にタコライス478を知ってもらえます。
実店舗を開いたことで、その積み重ねをあらためて実感したそうです。
キッチンカー時代から知っていた人。
以前、イベントで一度だけ食べたことがある人。
SNSで長く見守っていた人。
與那覇さん自身が気づいていなかったファンが、実店舗を訪れてくれました。
與那覇さん:「1日1ファンという考え方は間違っていなかったんだと思いました」
一気に有名になることを目指すのではなく、一人ずつ、ゆっくりとファンを増やしていく。
その姿勢が、現在のタコライス478を作っています。
「478」は店主の名字「與那覇」

店名にある「478」という数字。
初めて見た人は、「価格なのかな」「何かの番号なのかな」と疑問に感じるかもしれません。
実は478は、店主の名字である「與那覇」を数字で表したものです。
会社員時代、工場で使用するゴーグルに「478」と書いていた與那覇さん。
外国人スタッフから「この数字は何?」と聞かれた際に「與那覇」と答えると、名前を覚えてもらいやすかったそうです。
與那覇さん:「タコライス478って何ですか?と聞かれたときに、僕の名前ですと説明すると、店名と一緒に自分の名前も覚えてもらえるんです」
タコライス店だと分かりやすいよう、店名には必ず「タコライス」を入れたいと考えていたので、自分自身を表す478を組み合わせて、「タコライス478」が誕生しました。
「生涯タコライス宣言」に込めた思い

タコライス478が掲げている言葉の一つに、「生涯タコライス宣言」があります。
與那覇さんは、タコライスを始めた当初から、朝起きてから夜寝るまで、店や商品のことを考え続けてきました。
活動を続ける中では、思うように売れない日や、心ない言葉を受けることもありました。
それでも、タコライスをやめようと思ったことは一度もないといいます。
與那覇さん:「御殿場に遊びに来たら、タコライス478を食べて帰ろう。そう思ってもらえるようになったらうれしいです」
沖縄で生まれたタコライスを、御殿場に根付かせたい。
カレーやラーメンのように、子どもから大人まで身近に食べてもらいたい。
そして、いつか御殿場のソウルフードにしたい。
「生涯タコライス宣言」には、與那覇さんの覚悟と夢が込められています。
子どもが野菜まで食べてくれるタコライス

タコライスには、肉、チーズ、トマト、レタス、ご飯と、一皿にさまざまな食材が入っています。
普段は野菜をあまり食べない子どもでも、タコライスにするとレタスやトマトを食べてくれることが多いそうです。
そのため、子ども連れの家族からも人気があります。
タコミートは、子どもでも食べやすいマイルドな味。
辛さは、別添えのサルサソースで調整できます。
一般的なタコライスは、サルサソースをかけて完成するものも多いですが、タコライス478では、ソースをかけなくてもタコミート自体の味を楽しめるように作られています。
タコミートは寝かせるほどおいしくなる

タコライス478では、タコミートを作ってすぐに提供するのではなく、一定期間寝かせています。
與那覇さん:「簡単に言うと、カレーと同じです。少し置いた方が味がなじんで、おいしくなるんです」
完成したタコミートは真空パックにし、冷凍保存。
必要な分を解凍して使用します。
回転が早いため、長期間保存されることはありませんが、作りたてよりも味がまとまり、スパイスと肉のうま味が一体になります。
沖縄で食べてきた味を再現するだけでなく、試行錯誤を重ねて生まれたタコライス478独自の製法です。
渡辺ハム工房の肉で、臭みのないタコミートに
価格だけで選ばず、できるだけ品質の良いものを使っていましたが、活動を続ける中で「うちの肉を使ったら、もっとおいしくなると思う」と声をかけてくれたのが、御殿場市川島田の渡辺ハム工房でした。
実際に渡辺ハム工房の肉を使用すると、味の違いは明らかだったといいます。
與那覇さん:「それまで、わずかに感じていた肉の臭みがなくなったんです。本当においしくなりました」
現在も、タコライス478のタコミートには渡辺ハム工房の肉が使われています。
セリザワマルシェのトマトと御殿場産コシヒカリ
タコライスに欠かせないトマトには、セリザワマルシェのものを使用しています。
イベント出店を通じて知り合った生産者から「うちのトマトを使ってみてほしい」と声をかけられたことがきっかけでした。
食べてみると、甘さと酸味のバランスが良く、タコライスとの相性も抜群。
お客様からも「このトマト、おいしいね」と言われることが多いそうです。
ご飯には御殿場産コシヒカリを使用。
レタスも、できるだけ地元で作られた新鮮なものを選んでいます。
沖縄の料理に、御殿場の食材を組み合わせる。
それが、タコライス478ならではの「本場沖縄の味と御殿場らしさ」につながっています。
富士のふもとの大博覧会、グルメコンテスト3連覇
タコライス478を語るうえで欠かせないのが、「富士のふもとの大博覧会」で行われていたグルメコンテストです。
與那覇さんがグルメコンテストの存在を知ったのは、キッチンカーでイベントへ出店していた頃。
隣で営業していた富士宮やきそば店に、多くのお客様が集まっていることに気づきました。
一見するとシンプルな焼きそば。
なぜこれほど人気があるのか話を聞くと、その店はグルメコンテストで3連覇し、殿堂入りしていたことが分かりました。
與那覇さん:「沖縄の料理を御殿場のソウルフードにするには、『おいしい』という客観的な説得力が必要だと思っていたんです。これだ、と思いました」
コンテストで3連覇して殿堂入りを果たしたら、実店舗を出そう。
その目標を胸に、何年も準備を続けました。
完全アウェーから勝ち取った初グランプリ
初出場時、会場には富士市で知られる人気店が数多く並んでいました。
御殿場から参加したタコライス478にとっては、完全なアウェー。
そこで與那覇さんは、出場前から富士市周辺のイベントへ積極的に出店し、少しずつタコライス478を知ってもらう活動を続けました。
当日も、富士で出会ったリピーターや、御殿場などから応援に訪れた人たちが投票してくれました。
それでも周囲の人気店を見て、「グランプリは難しいかもしれない」と感じていたそうです。
イベント初日の営業を終えた頃、運営スタッフが各店舗を回り始めました。
與那覇さん:「もしかして、今日結果が分かるのかなと思っていたら、スタッフの方が来て『グランプリです。おめでとうございます』と言ってくれたんです」
その瞬間、自然と涙があふれました。
與那覇さん:「普段はあまり泣かないんです。でも、今までやってきたことが報われた気がしました」
プレッシャーを越え、3年連続グランプリへ
2連覇を目指す年には、開催の半年ほど前からSNSで出場を告知。
応援と投票を呼びかけながら、再びグランプリを獲得しました。
3連覇がかかった年は、富士市の有名カレー店など、さらに強力な店舗が参加。
隣の店にも長い行列ができ、與那覇さん自身も「今回は厳しいかもしれない」と感じたそうです。
しかし、タコライス478には強みがありました。
商品を素早く提供できること。
これまで各地で地道にファンを増やしてきたこと。
そして、食べた人が「もう一度食べたい」と感じる味を作り続けてきたことです。
結果は、3年連続グランプリ。
見事、殿堂入りを果たしました。
與那覇さん:「3回とも泣きました。やっとここまで来た、という気持ちでした」
グルメコンテストはその後終了し、タコライス478は最後の殿堂入り店舗となりました。
長年目標にしてきた3連覇を達成したことが、実店舗オープンへの大きな後押しになったそうです。
初めてなら、まずは基本のタコライス
初めてタコライス478を訪れた人に、まず味わってほしいのは基本のタコライスです。
サイズはS・M・L・XLの4種類。
Sサイズは子どもや少食の人にも食べやすい量で、與那覇さんのおすすめはMサイズです。
食べ方に決まりはありません。
全体を混ぜて食べる人もいれば、少しずつ具材を取りながら食べる人もいます。
おすすめは、最初にサルサソースをかけず、タコミートそのものの味を楽しむこと。
途中からサルサソースを加えると、味の変化を楽しめます。
偶然から誕生した「炙りチーズタコライス」

タコライス478の人気メニューの一つが、炙りチーズタコライスです。
誕生のきっかけは、意外にも仕入れていたチーズが手に入らなくなったことでした。
代わりに似たチーズを購入したものの、以前より硬く、仲間からも「いつものチーズの方がいい」と言われてしまいます。
どうすればおいしく食べられるか考え、試しにバーナーで炙ってみたところ、香ばしさが加わり、想像以上のおいしさになりました。
與那覇さん:「硬かったから溶かしてみただけなんです。それが炙りチーズの始まりです」
チーズを炙る様子は見た目にも楽しく、お客様が動画を撮影してSNSへ投稿することも増えました。
投稿が大きく拡散されたことで、炙りチーズタコライスはタコライス478を代表するメニューへ。
現在では、撮影しようとスマートフォンを構えているお客様がいると、バーナーを使ったパフォーマンスを見せることもあります。
與那覇さん:「食べるだけでなく、楽しい思い出も持ち帰ってもらえたら、値段以上の価値を感じてもらえると思うんです」
通常のタコライスと炙りチーズ。
どちらが一番かは好みによって分かれ、その日の気分で選ぶ常連客も多いそうです。
黒糖と泡盛で煮込む「軟骨ソーキライス」
軟骨ソーキライスには、沖縄らしい黒糖と泡盛を使用しています。
ソーキは約2時間かけて煮込み、軟骨まで柔らかく仕上げます。
最初にアクを丁寧に取り除き、さらに圧力をかけることで、口の中でほぐれるような食感に。
黒糖のまろやかな甘さに、泡盛を加えることで、ただ甘いだけではない深みのある味わいが生まれます。
タコライスを食べたあとに軟骨ソーキライスを注文し、「ソーキの方が好き」とリピーターになる人もいるそうです。
人気トップ3を食べ比べる「3キングボックス」
何を注文するか迷ったときにおすすめなのが、「3キングボックス」です。
タコライス、軟骨ソーキライス、オーバーライスという人気トップ3が、1つの大きなボックスに入っています。
1人で食べ比べるだけでなく、家族や友人とシェアするのにもぴったり。
自宅での食事やパーティー、お土産としても人気があります。
タコミートやソーキなどは、ごはん抜きでも購入可能で、ごはんがない分、具が多くなっています。
タコライスの見た目にも小さな工夫
一般的なタコライスは、ご飯、タコミート、レタスの順に重ねるスタイルが多く見られます。
一方、タコライス478では、ご飯の上にレタスを敷き、その上にタコミートを盛り付けています。
理由は、タコミートをレタスの下に入れると、写真を撮った際に肉が隠れてしまうから。
與那覇さん:「せっかくなら、おいしそうに見えるようにしたいと思って順番を変えました」
見た目の華やかさが増すだけでなく、テイクアウトの際にレタスが飛び散りにくいというメリットもあります。
味だけでなく、見た目や持ち帰りやすさまで考えられた盛り付けです。
娘さんの落書きから生まれた「與那覇花与」

タコライス478のロゴに描かれているマスコットキャラクター「與那覇花与」。
このキャラクターは、與那覇さんの娘さんが幼い頃に描いた一枚の落書きから生まれました。
タコライスを始める前、娘さんが描いた花を持つキャラクターを見て、「ロゴに使えるかもしれない」と感じた與那覇さん。
キャラクターに風船を加え、タコライス478の文字を入れて、現在のデザインが完成しました。
與那覇さん:「子どもが描いた絵なので、同じものをもう一度描こうとしても描けないと思うんです。娘に今描いてと言っても、きっと違う絵になります。そのときにしか描けなかった絵だからこそ、いいと思いました」
店主自身の名前を使った店名と、娘さんが描いたキャラクター。
タコライス478のブランドには、家族の物語も詰まっています。
ペルー出身の奥様が考える限定メニューも
店舗では、タコライスだけでなく、期間限定の沖縄料理やペルー料理が登場することもあります。
與那覇さんの奥様はペルー出身。
取材時には、ペルーの飲み物「チチャモラーダ」をいただきました。

見た目は濃い紫色ですが、味はブドウジュースやノンアルコールサングリアを思わせる爽やかな飲み口。
ペルーでは、麦茶のように日常的に飲まれているそうです。
與那覇さん:「初めて見る人はなかなか手を出しにくいんですが、一度飲むと気に入ってくれる人が多いです」
奥様は英語にも対応できるため、外国人観光客も利用しやすい環境です。
店内の様子やメニューが外から見え、気軽にテイクアウトできるスタイルも、海外から訪れた人に好評だといいます。
沖縄から御殿場へ。富士山のある街で暮らす
與那覇さんは沖縄で生まれ、父親の仕事の関係で、幼稚園から小学1年生まで東京で暮らしていました。
小学2年生のときに沖縄へ戻り、高校卒業後は東京や大阪、京都など各地を転々。
27歳のときに本州へ移り、長野県で現在の奥様と出会いました。
奥様の母親が沼津周辺に住んでいたことから、家族で一緒に暮らすために御殿場へ。
子どもの頃、両親に富士山や富士サファリパークへ連れてきてもらった記憶もあり、もともと富士山周辺に住んでみたいという思いがあったそうです。
與那覇さん:「御殿場に来たら富士山がきれいで、どこへ行くにも便利でした。外から来た人も受け入れてくれるような雰囲気があって、いい場所だと思いました」
さまざまな地域や国の人が行き交う御殿場。
そこで暮らす人たちの温かさも、與那覇さんがこの街で商売を続けてきた理由の一つです。
まずは東田中の店舗を大切に

今後について聞くと、まずはオープンした東田中の店舗を大切に育てていきたいと話してくれました。
一方、キッチンカー時代に出店していた三島市や清水町にも、タコライス478の再訪を待っているファンがいます。
與那覇さん:「落ち着いたらまた来てほしいと言ってくれる人がいるので、いつか三島や清水町にも、同じようなスタイルの店を作れたらいいですね」
ただし、最初から急激に店舗を増やすつもりはありません。
與那覇さん:「今は、まずこの店を大切にしたいです」
一人ずつファンを増やしてきたタコライス478らしく、今後も着実に歩みを進めていきます。
タコライス478を
まだ食べたことのない人へ

最後に、タコライス478をまだ食べたことのない人へメッセージをいただきました。
與那覇さん:「タコライスを食べたことがない方にも、タコライスが好きな方にも、まず一度食べてもらいたいです。ほかのタコライスとは、少し違うと感じてもらえると思います」
沖縄で食べてきた記憶をもとに、子どもから年配の方まで食べられる味へと改良。
御殿場の肉や米、トマトを組み合わせ、長い年月をかけて完成させたタコライスです。
キッチンカーから始まり、グルメコンテスト3連覇を達成。
そして2026年6月、念願の実店舗をオープンしました。
沖縄のソウルフードから、御殿場のソウルフードへ。
タコライス478の挑戦は、これからも続きます。
タコライス478 店舗情報
住所
静岡県御殿場市東田中1000-1
営業時間
水曜日〜日曜日
11:00〜19:00
定休日
月曜日・火曜日
駐車場
2台
※営業日やメニューなどの最新情報は、タコライス478の公式サイトをご確認ください。


